花巻東高等学校

　オリンピックでの日本選手の活躍で、近年急速に人気が出てきたソフトボール。
　花巻東高校においては、教育界で近年特に問題視されている女子高生の礼儀作法の乱れや粗暴化、学校離れにクラブ離れなどを憂慮して、女子教育の健全性を図る一方策にソフトボール部を創部した。また、部活を通して女子生徒の意欲を喚起し、将来に対する夢と希望を与え、充実した高校生活を過ごして欲しいという願いも込められている。
　部の旗揚げはなされたものの選手の勧誘、施設・設備の確保など困難の中、それでも部員たちはチームスローガンの下、毎日の厳しい練習にも耐え励んでくれた。
　部活は高校生活の中で最も重要な意味を持ち、仲間との係わり合いから生まれる友情・学習・生活態度にも大きな影響を与える。
　中でも硬式野球部やソフトボール部が中心となって取り組んでいる「あいさつ運動」は、市民のみな様に高く評価されている。校内はもとより、地域の方々がグラウンドのそばを横切る際にも「こんにちは」と元気よく積極的にあいさつをするその姿は「はつらつ花巻東高校」のキャッチフレーズにふさわしいさわやかな感動を与えている。

　平成14年の創部から、県高校総体・県民大会・新人大会といくつもの大会に参加してきたソフトボール部。
　1年目は予選敗退が多く、苦い経験をしてきた。しかし2年目には県高校総体出場獲得を皮切りに、新人戦も県大会出場。77試合行った練習試合では42勝29敗6引き分けと勝ち越しを。確実に力をつけ、成長していく部員たち。
　平成16年の県高校総体では推薦により県大会出場。新人戦は10月2日から前沢町と、後に石鳥谷町に場所を移動して繰り広げられたが、一戦一戦勝ち抜き、見事優勝の栄冠を手にした。
　創部3年にして優勝旗を手にしたソフトボール部。今日もグラウンドには、高橋総監督、斎藤監督の指導の下、先輩に続けとばかりに汗を流す部員たちの姿がある。

優勝の瞬間、ベンチで喜び合う部員たち

　10月17日、青森県上北町で行われた第23回全国高等学校ソフトボール選抜大会北東北予選会に、岩手県の第一代表として出場した花巻東高校は、準決勝で青森県の第二代表木造高校と対戦し、県大会の余勢を駆って6対0で圧勝。
　決勝は青森県の第一代表聖ウルスラ高校(八戸)で、手に汗握る白熱戦となった。
　四回裏まで両校とも凌ぎ合っていたが、五回の表、無死から守りのミスと長打で一点を先制された。その後、追加点を与えない固い守りで迎えた最終回裏、先頭打者が三塁打、一打同点、さらにはサヨナラ勝ちのチャンスとなったが、あと一本が出ず1対0で惜敗、涙を呑んだ。しかし準優勝校として、来春に行われる東日本大会への出場権を獲得。これからの練習により一層力が入ることになるだろう。

エース松野投手を中心に、作戦会議中

第51回岩手県高等学校新人ソフトボール大会試合結果

1回戦	花巻東　11－0　一関学院（5回コールド）
2回戦	花巻東　9－2　盛岡二（5回コールド）
準々決勝	花巻東　4－0　一関二
準決勝	花巻東　5－2　福岡
決勝	花巻東　2－1　一関一（延長8回タイブレーカー）

岩手県高等学校新人ソフトボール大会優勝メンバー

1番	左翼手	松田麻里選手	（1年・千厩中）
2番	右翼手	平野礼奈選手	（2年・東和中）
3番	中堅手	佐々木郁選手	（2年・東和中）
4番	捕手	佐藤富美世選手	（2年・藤沢中）
5番	三塁手	長原藍選手	（2年・東和中）
6番	二塁手	瀧澤維久実選手	（1年・福岡中）
7番	一塁手	平野由佳選手	（1年・東和中）
8番	遊撃手	伊藤早紀子選手	（2年・花巻中）
9番	DP	鈴木美貴選手	（1年・千厩中）
	先発投手	松野ヒロ選手	（2年・北陵中）
	リリーフ	伊藤真喜枝選手	（2年・湯本中）

	投手	正木優選手	（1年・花巻中）
	投手	伊藤茉里選手	（1年・上野中）
	左翼手	高木美帆	（1年・上野中）
	中堅手	及川望選手	（1年・江刺南中）
	右翼手	藤原志緒里選手	（1年・石鳥谷中）
	右翼手	盛川恵梨選手	（1年・花巻北中）
	スコアラー	土岐聡美さん	（2年・南城中）
	マネージャー	高橋美音さん	（1年・南城中）
	マネージャー	高橋絵梨佳さん	（1年・南城中）

部長		大森松司
総監督		高橋貞儀
監督		斉藤照美

優勝旗を手に喜びを噛み締める花巻東高校ソフトボール部