最激戦区神奈川代表の横浜隼人高校。最も参加校数が多い189校の代表で,横浜・桐蔭学園を破ってきたチームである。
本校は初回,2番佐藤涼平選手(宮古河南中出身)が四球で歩くと,すかさず盗塁を決める。そこで4番猿川拓朗選手がセンターへ弾き返し,岩手大会の準決勝盛岡中央戦の時と同じような形で先制点を挙げる。
先発菊池雄星選手は上々の立ち上がりを見せるが,4回にストライクを取りに行ったストレートを痛打され,1発を浴びて同点とされる。
ここで菊池投手はギアチェンジ。5・6回には4連続を含む5奪三振,7回には自らセンターの頭上を越えるヒットを放ったが3塁で間一髪アウト。何とか流れを呼び込もうとする執念を見せる。
その執念に応えたのが柏葉康貴選手(仙北中出身)。7回2死1塁から初球をコンパクトに振り抜いた打球はレフトへ舞い上がる。値千金の勝ち越しホームランで3−1とする。
完全に試合の流れをものにした本校は,8回裏にも千葉祐輔選手のタイムリーで4−1とし勝負を決した。
菊池雄星投手の復調が,勝負の鍵となった横浜隼人戦。初回に2死から左前に安打されるが牽制で走者をアウトにし,気持ちが落ち着いたようだ。1回戦よりも低めを意識した丁寧なピッチングで3回までそれぞれ3人ずつで打ち取る。4回に甘い球を持っていかれたが,菊池投手は緒戦の反省を生かし,冷静に気持ちを切り替えることができた。
スライダーはまだ本調子ではないようだが,時折見せる低めのスライダーは威力抜群。フォークボールで打ち取る場面もあり,次戦以降に期待がもてる。最終回にも140q代後半をマークし,最後の打者を146qストレートで三振にするなど「雄星らしさ」が出てきた。
打のヒーローは間違いなく柏葉康貴選手だ。
「どんなに打っても雄星だけ・・・・」が注目されると嘆いている柏葉選手。
勝負強い打者が多い本校打線の中で,柏葉選手は特に光るものを持っている。岩手大会の決勝でも勝利打点となるセンター前や,甲子園緒戦でもタイムリーを放った。勝負強いのは打つ方だけではない。緊張するであろう甲子園でも無失策の守備陣を川村悠真選手(黒石野中出身)とともに引っ張っている。ピンチになってもセカンド周辺にゴロが転がると,どんなあたりでもアウトにしてくれる頼もしい選手である。
堅実さと大胆さを兼ね備える柏葉選手。次戦も期待したい。
ここまでくるとかなり研究されているようだ。
相手投手はエースではなかった。左打者攻略とおそらく後半に強い本校打線に備えたものかと推測される。そういう意味では初回に先制点を挙げることができたことは大きい。
甲子園となると菊池投手攻略もきちんと実践してくる。その中で,長打を浴びても連打を許さず,四死球も最小限に抑えていること,そしてエラーをしないことで相手を退けている。横浜隼人戦は強い勝ち方を見せてくれた。
本校としては夏2勝は初となるが,岩手県勢としては12年ぶりの3回戦進出,36年ぶりの夏2勝となった。これからは1勝が花巻・岩手,そして東北の歴史を変えるものとなる。ここまでくると本当に強いチームしか残っていない。さらに気を引き締めて,行け「はつらつ花巻東」ナイン。
|