戦 評
1回戦は盛岡農業を6−0と完封し,緒戦の緊張を振り払い,2回戦に駒を進めた。
久慈東高校を破って,逆サイドを勝ち上がってきたのは大船渡高校であった。大船渡高校は,過去に小笠原満男選手を輩出した強豪校である。完成度も高く,接戦になることは十分予想されていたが,前半に期待の新人MF齊藤佳祐選手(飯豊中出身)が,スピードに乗ったドリブルで左サイドを突破して中に折り返したところをFW大場蒼選手(乙部中・ヴェローチェ出身)が走り込み,期待の先制ゴールを生んだ。この2人はミニ国体(岩手県選抜)にも選ばれている本校3人トリオの中の2人で,プレッシャーもあったはずだが,立派に先制点を奪ってくれた。
しかしながら,一瞬の隙を突かれ大船渡高校に同じ前半に同点に持ち込まれる。
試合は後半でも決着がつかず,延長戦へ突入。決定機を作りながらも,粘る大船渡に阻まれ遂にPK戦に持ち込まれた。本校GK須川拓也選手(紫波一中出身)が大船渡高校一人目のキッカーのシュートをみごとにセービングし,有利に立つ。
プレッシャーの中で両チームのキッカーが,また一人ずつ外したが,1年生ながら信頼も厚く,ミニ国トリオのもう一人,MF今松諒平選手(金ヶ崎中)が最後のキッカーに指名され,冷静にゴール左隅に決め,粘る大船渡高校を退け,本年度選手権大会チャンピオンの遠野高校への挑戦権を得た。
続く,準々決勝からのピッチは選手にとって憧れの盛岡南公園球技場であった。
選手権大会でこのピッチに立つことのできなかった本校部員たちは,このピッチに立つことができずに引退した3年生の分も頑張ろう! というすばらしい気概でピッチに入場した。
相手が強豪の遠野高校であろうと,下がって守備を固めたサッカーではなく,花巻東らしい積極的サッカーを! との指示を受け,ピッチを縦横無尽に走り抜く。
決定機を何度も作るが,堅守の遠野高校に阻まれ,前半はお互いに無失点に終え,後半に突入した。後半警戒していたセットプレイにより遠野高校に先制される。
しかしながら終始ペースを握っていた本校選手たちに焦りの表情はなく,遂に流れの中でゴールが生まれる。ここでも1年生の今松選手が自分で課題としてきたゴールも奪えるMFに進化した姿を存分に見せてくれた。すばらしいミドルシュートで同点に追いつく。
流れは本校に傾いたかに見えたが,やはり試合運びの上手な遠野高校に試合終了30秒前であった。またもやセットプレイで追加点を許し,結果的には1−2のスコアで惜敗となった。
試合に負けた悔しさと,チームが成長してきている実感とが交錯する中,終えた新人戦だったが,ベスト8という結果で,来年の3月に実施される選抜大会への出場権と来年度の高総体のシード権を獲得した。
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