1年間の締めくくりとなる高校野球の秋季東北大会も終わり,一段落した10月17日(月),野球部の佐々木隆貴君(2年・捕手・大槌中出身)に小田島校長先生より,今回の東日本大震災の被災に対する見舞金が手渡された。
実はこの見舞金は,9月14日に愛知県豊橋市の波崎けい子様という方から,佐々木隆貴君へ渡して欲しいとのことで学校へ送られてきていたものであった。しかし,校長先生の校務の関係や佐々木君の県大会や東北大会等の試合の関係で,これまで贈呈が延び延びになってしまっていた。
そして,約1ヶ月が経過したこの日,校長先生より波崎様に電話でお礼を述べ,これから贈呈式を行なうことをお伝えして,放課後のクラブ活動に行く前の午後4時より校長室にて大森副校長先生立会いの下,佐々木君への贈呈式が行なわれた。
最初に,大森副校長が佐々木君にこれまでの経緯を説明するとともに,波崎様からのお手紙を朗読して,波崎様の温かい思いを伝えながら校長先生より見舞金を贈呈していただいた。
本校とも,佐々木君とも,縁もゆかりも無い方からこうしてご厚志が届けられたことに,心より感謝申し上げたい。本当にありがたいことである。
さて,本校には沿岸部からも,本校の「立志 夢実現」教育にあこがれて,多くの生徒が学んでいる。今回の大震災の後の巨大津波では,一瞬のうちに肉親や親戚を失った生徒,実家が被災した生徒,保護者が生業や職業を失った生徒等々,たいへんな状況に追い込まれてしまった。その中で生徒はこのまま学業を続けてよいものだろうか,クラブ活動などしていてよいのだろうか,すぐに実家に帰って手伝いをしなくてよいのだろうかと,様々悩んだと聞く。しかしその親たちは,今やれることに感謝して自分磨きのため,一所懸命学業に,クラブ活動に取り組んで欲しいと願ったと聞く。
佐々木君は,祖父母を失い自宅が流され,保護者も職を失ったが,同じような部員が本校には10余名いる。(野球部以外にも,同数程度の生徒が被災しているが…)その生徒たちが悲しみを乗り越え,今年の春・夏・秋の岩手県の大会を,すべて優勝で制覇した。悲しみを押し殺し,今すべきことを再度練り直し,挑戦し続けた結果の証であろう。このエネルギーと精神力は,地域の震災からの復旧・復興に必ず役に立つはずである。この逆境に負けることなく,今後も学業やクラブ活動で力を蓄え,有為な人材となって地域社会の復興・創造者となって欲しいと思う。
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