１回戦の相手は，１・２年生で早くチームを作ってきた久慈高等学校とであった。
　本校は1週間前までプリンスリーグ東北参入戦により３年生も出場していたため，新人チームとしての完成度は極めて低かった分不安はあったが，チームのコンセプトは変わらず，どんな時でも練習で意識してきており，その不安を払拭するかのような試合展開となった。
　シュート17本と相手を圧倒することとなるが，試合開始30分，本年度岐阜清流国体に先発出場した井上真輝選手（１年・仙北中出身）が相手エリアに進入すると，相手ディフェンダーがたまらずファウルをし，ＰＫを得る。その得たペナルティキックでネットを揺らすと，後半13分にも同じ井上選手がゴールを決める。
　緒戦の堅さからか２得点しか奪えなかったが，２対０で２回戦に駒を進めた。

　翌日に行なわれた２回戦の相手は，盛岡第四高校であった。やはりここでも早くから新チームで活動してきていた相手との対戦となるが，本校新チームに安定感が芽生えてくることになる。
　前半11分にコーナーキックを得ると，期待の新人瀬川拓人選手（２年・見前南中出身）のキックが直接ゴールを奪い先制。すると前半15分ボールを繋ぎながら井上真輝選手が追加点。同22分にも１年生木村威哉選手（花北中出身）がゴールネットを揺らし，前半を３対０で折り返す。
　後半に入ると，フリーキックの機会が訪れる。ここでもやはり，瀬川選手が直接ゴールを決め，４対０で準々決勝進出を確定的にした。

　準々決勝の相手は，選手権大会優勝校の盛岡中央高校であった。 この試合では，お互いに選手権大会の経験を持っている選手同士の力がぶつかり合う展開となった。
　前半勢いのある相手に対し，バランスを保ちながら，試合をコントロールする。そしてついに得意の崩すパスから2年生の瀬川選手拓人が待望の先制点を奪う。
　１対０で前半を折り返すと，後半11分，新キャプテンの高橋魁皇選手（２年・江釣子中出身）が追加点を奪う。
　焦る相手に，自分たちのペースを守り続けていると，途中交代で入った鈴木翼選手（1年・飯豊中出身）が試合終了間際に決定的となる３点目を生み出し３対０での快勝で，昨年度と同様準決勝への進出を決めた。

　いよいよフットボールセンター（人工芝グラウンド）での試合に心を躍らされている本校部員は，不来方高校との対戦となった。
　やはり本校相手に対策を練ってきている相手とあって，試合を有利に進めながらも前半を0対0にて終了する。
　後半2点を先制されるが，最後まで試合を決してあきらめない本校サッカー部はついに１年生の鈴木翼選手が高橋魁皇選手のパスを受けゴールを決める。しかし，その後の追加点が奪えず１対２での惜敗となる。
　昨年度の，創部初となる第３位と同様の結果であったが，選手の表情には３年生が抜けても戦えると，もうすでに来年を見据えていた。
　結果ではない，そのぶれないプロセスこそたいせつであり，期待できるチームだと監督に励まされながら新人戦の幕は閉じられた。

　 引退していった３年生の父母の会をはじめ，保護者の方々，多くの指導者やファンのみなさま，そして関係者の方々へお礼を申し上げます。
　優勝はできませんでしたが，また花巻東高等学校のサッカーをみんなで表現していきたいと思います。
　本当にありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　花巻東高等学校サッカー部一同