これに先立って開催された「第2回 生徒海外研修派遣事業報告会」もそうであったが,本校の今年度の国際理解週間(5月30日〜6月4日)に合わせ,そのメイン行事として「平成23年度 第2回 国際理解セミナー(兼平成23年度 文化講演会)」が,同日の5月30日(月)に開催された。
講師は岩手県立大学共通教育センター教授の姜奉植先生で,「淵澤能恵と淑明学園」と題してほぼ100分にわたる講演会が実施された。
淵澤能恵(1850〜1936年)は花巻市石鳥谷町出身であり,韓国女子教育の礎を築いた教育者であるが,花巻市民でもあまりなじみが無いのかもしれない。
本校では,現在の学習メディアセンターの前身である図書委員会が委員研修として,平成16年度に石鳥谷町図書館を訪ね,当時,淵澤能恵の研究をなされていた「石鳥谷花の会」の会長の村上淑子先生から直に,淵澤能恵について指導いただいたのが縁であった。
それ以後さらに研究が進み,韓国出身の姜奉植先生も研究に加わったことにより韓国側の反応や動向等も知ることができるということで,今回の講演会が実現した。
今回の先生のご講演により,淵澤能恵の生涯と功績に対して,生徒は理解が深まったと思う。郷土の偉人として我々がこれから顕彰していかなければならないと感じたことだろう。
日韓の間には不幸な歴史もあったが,全てをなげうってまで異国の教育に情熱を傾けた淵澤能恵に感銘を受けると同時に,我々はより一層グローバルな視野に立って,世界は一つという高い次元の人間愛に燃えた国際人にならなければならないとの決意が新たに芽生えたことだろう。 |