小田島校長先生の訓示
皆さん,おはよう。
後期授業始めにあたり,あいさつを申し上げます。
新しい年を迎え,11日目になりました。ここに全校生徒ならびに教職員が一堂に会することができましたことは,たいへん嬉しく思います。
今日は,新年を迎えて始めての集会ですので,改めて新年のあいさつをいたします。
「皆さん,明けましておめでとうございます。」
新年を迎えるということは,初心にかえることであり,言葉を変えれば「初心忘るべからず」ということであり,即ち一つの節目の中で,心機一転を図ることであると言ってもよいでしょう。
天地自然の現象は,過去が消えて,また新しく生まれるということであります。普段,我々は同じような生活の繰り返しを続けているように思いますが,日々,移り変わっているのであります。これが自然の法則であります。したがって人間もまた自然の存在であります。
樹齢を示す年輪にも似たように,無限に続く時間の流れを区切るのが新年といってよいでしょう。
地球上には,けじめの意識の低い未開人がおり,その中には自分の年齢を知らない民族が居ると言われております。われわれの祖先は,元日を迎えると,みな一つずつ歳を加え,新たな気持ちで一年のスタートを切りました。この節目は人間の考えた素晴らしい知恵であります。このような節目・節目を大事にして,人間はさらに進歩・成長しなければなりません。
昨年,授業納め式において,私は諸君たちに新年に向けた心構えをしっかり持って欲しいということを話しましたが,決意はできたでしょうか。
さて,年末年始は大雪にみまわれました。
いろいろな話によると,昨年の夏の猛暑の影響が反動的にきたとか,温暖化による異常気象とか言われておりますが,いずれ人間のエゴイズム的な生き方が原因になっているとも言われております。あまりにも人間が地球を占有するようなことを続けるならば人間生存の基盤である自然環境が破壊され,さらには天罰が下るであろう。現に,自然は病んでいる。
どうか諸君はこの世紀を背負って生きていく人間として,時には,このような環境問題にも関心を寄せ,好きな娯楽番組だけに目を向けず,今年は自然をたいせつにすることについて考えて欲しい。
終りにあたり,いよいよ今学期は集大成の学期になります。三年生の諸君は卒業に向けて,花巻東高等学校で学んだ教育が社会に出て発揮されるような「まとめ」をして下さい。すでに進路が決定した者,大学受験で頭を痛めている諸君もたくさんおりますが,最後まで自分を信じて,大学への合格を目指して下さい。
1・2年生は,やがて迎える年度を見据えた上での生活を充実させ,本校の新たな歴史の創造に向けてがんばって欲しい。
以上を持って始業式にあたってのあいさつとします。
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