去る10月6日(木),特別活動の時間等を利用して午前9時より正午まで,「平成23年度 第29回 花巻東高等学校校内主張コンクール」が実施された。
各クラスの代表者が,「今」という時空の中で生きる自分が,何を見て,何を感じ,何を考えているのかを,若い観点と感性で,生き生きと自由に発表した。
今回の主張コンクールの大きなテーマとなったのは,やはり東日本大震災とその後に起こった巨大津波によって引き起こされた惨事から,人間の「絆」や人間としてのあり方に触れるものだったように思う。沿岸部の出身者はもちろんのこと,内陸に住む多くの人たちも,巨大津波で言葉にできないほどの衝撃と悲しみに打ちひしがれたことが分かった。過酷な現実を前に,言葉など何ら意味のない,力のないものだと考えた人も多くいたことだろう。
しかし,輪転機が津波で使えなくなり,手書きで新聞を発行した石巻の新聞社,避難所となった学校で壁新聞を作って,みんなを励ました小・中学生の報道を見るにつけ,どんな時でも「言葉」というのは人間に力を与えてくれるものだと実感したように,今回の発表者の「言葉」もまた,私たち聴衆の胸に強く響いて来るものだった。彼ら一人ひとりの力強い決意表明に,明日への希望を見出した思いである。
「書く」ことは自分を見つめることになる。「書く」ことによって自分の今日の「命(いのち)」が見え,「明日(あした)」が見えてくるのだ。今回の発表者は「書く」という作業によって,今までとは違った自分に出会えたのではないだろうか。
教室で,クラブで,学校で,そして社会の中で,自分の思いや考えを自由に語り合いたいものである。たくさんの言葉を交わすことが,共感・理解につながる。
さて,「友だちの在り方について」と題して発表した生徒がいたが,もう一度考えてみて欲しい。 死刑制度・韓国・政治などについての発表も非常に興味深いものであった。高校生諸君には,様々な角度から色々な話を聞いたり,本を読んだりして大いに学ぶことを勧める。物事を多面的にとらえること,そして知ることが,自分の力になるはずである。様々な学習の中で,色々な見方・視点・考え方を得,物事を見極める目を養っていって欲しいものである。
ここにいる全ての人たちが,借り物ではない自分の「言葉」を手にすることが,真の学びだと信じている。発表者のみなさん,そして聴衆として参加した全校生徒のみなさん,それぞれの立場で大きな学びがあったことと思う。 |