5月15日(日)は,本校の開校記念日です。
開校記念日は,諸君も知っているとおり学校の誕生日のことを言います。みなさんは誕生日を迎えると,家族一同が揃ってお祝いをしたり,なかには友人を招いて誕生祝いをしたりする家庭もあるでしょう。それは,一人の人間がこの世に生を受け,両親をはじめ多くの人々の祈りと期待のうちに産声を挙げた,つまり人間として地上に誕生した日を記念するからです。そして,私たちは誕生日を祝ってもらうたびに人としての自覚を高め,自己の過去を振り返ったり,あるいはまた,現在の自己を深く見つめ,自分の将来を考えたりします。個人にとって誕生日とはそういう記念すべき日ですが,開校記念日もまた学校にとっては同じような意味を持っています。
今日は,学校にとって創立55年目の誕生日を迎えるわけですが,これを機に本校の歴史(沿革)や伝統について考え,諸君がいま花巻東高等学校の栄えある生徒として,どのような学校生活を送ることが大切なのかを考えて欲しいと思います。
では,沿革について記してみましょう。
本校は,もともと花巻市内にあった二つの私立高校が前身であり,花巻市学園都市構想の策定のなかで花巻市教育委員会の斡旋のもと一緒になり,昭和57年新生花巻東高等学校が誕生しました。
前身の二つの学校とは,昭和31年,徳永四郎先生によって創立された花巻商業高等学校(昭和50年富士短期大学付属花巻高等学校と改称)と,昭和32年,谷村貞治先生によって創立された谷村学院高等学校です。
両校とも創立当初から運動部の活躍が目覚しく,花巻商業高校は,柔道部・ボクシング部・相撲部・陸上競技部(駅伝)・軟式野球部・水泳部などのクラブは,創立10年間で全国大会レベルに達し,まさに,破竹の勢いで活躍しました。特にも昭和39年には念願の甲子園出場を果たし,その名を県下はもとより全国津々浦々に轟かせたことは輝かしい成果として,他に誇れる歴史と言ってよいでしょう。また,文化活動においては,珠算部が県大会を制し,全国大会へ3回出場したことも大きな財産となっています。
一方,谷村学院高校は,女子陸上競技部の活躍は県下にその名を轟かせ,昭和37年県ジュニアにおいて,走り高跳びの優勝に始まり,38年には砲丸投げで県高総体優勝,49年には,高総体トラック準優勝,51年トラック総合優勝など「トラックの谷村」と言われるような快進撃が続きました。また創立以来より,水泳部・スキー部の活躍も目覚ましく,東北大会の常連校としてその名を馳せ,国体にも出場しております。
開校草創の花巻東高校の前身である両校は,充分な施設設備に恵まれませんでしたが,教師と生徒のハングリー精神と,一丸となった取り組みの結果,前述のとおり輝かしい校風の発揚につながっていったのであります。
諸君たちも開校記念日にあたり,母校の歴史をひもとき,本校の草創期の先輩たちの燃えたぎるような精神と,苦労して残してくれた伝統を受け継ぎ,さらなる発展の礎にしなければなりません。
本校の「建学の精神」は諸君も承知のように「感謝・報恩・奉仕・勤勉・進取」であります。これは,前身の創立者の精神を継承し新しい時代に生きる大事な資質として五つの校訓が決められたものです。
以来,花巻東高校の精神はこの校訓のもとに,新しい学校づくりに取り組み生徒一人ひとりの人間形成を図り,その結果として部活動においては全国的に名声を高め伝統を築いてまいりました。
この節目を機に諸君たちはこの多感にして最も成長する高校時代に勉強でもよし,クラブでもよし,意欲的に打ちこんで自分をより大きくたくましく成長させるように心がけで下さい。
今後の本校の発展は,諸君たち一人ひとりの学校生活の充実にかかっていると言っても過言ではありません。そのためには,まず,過去の自己を乗り越えていく気持ちを常に持ち続け,たゆまず勉学にクラブ活動に力を傾注し,人格と識見を磨き,自己をよく考え,進路目標達成に向け社会に役立つ人間になれるよう努力することがたいせつです。
開校記念日にあたり,草創の思いを顧み,これからの本校の前途を諸君とともに期する次第です。 |