小田島校長先生の訓話

　いよいよ，諸君たちの楽しみな冬休みを迎えるに至った。
　年末年始は，一年のまとめであり，新たらしい年への活動のスタートでもある。
　人間の成長や，企業が発展していくためには節目をたいせつにし，謙虚な心で自分を見つめ直すことがたいせつである。
　諸君たちも，この一年を振り返り新しい年への決意を固めて欲しい。
　私も，毎日朝，校門に立って諸君たちを迎えているが，総括をすると，身だしなみの良くない生徒もいる。
　企業での人事考課，いわいる仕事ぶりを評価するには，
　　�@責任感　　�A仕事処理の正確さ　　�B物事の判断が正しくできるかどうか
　　�C指導力・統率能力　　�D物事の要点を的確にとらえることができるか
　　�E礼儀作法（服装等も含む）
　これらが決定的な物差しとなるのである。
　　本校の教育の中で，最もたいせつにしているのは，社会人としての資質を備えた「人作り」にある。
　　諸君たちの高校生活での集大成は，希望する大学や専門学校への入学・就職できさえすれば，後は何とかなると思っていたら大間違いである。
　知識だけを求めて人格をおろそかにしてきた人間の典型は，オウム真理教の事件や高級官僚の汚職事件などに見ることができる。
　昔の人が，「人間30歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言っている。　それは，自分の積み重ねてきた人生観・生活態度・礼儀作法・教養が自然に顔ににじみ出るからである。
　泥棒・詐欺・強盗のような非道なことをしてきた人間の顔は，冷酷・無慈悲・恐ろしさがにじんで見えるのである。
　勤勉で心優しく思いやりがあり，礼儀正しい身だしなみ，教養を積んだ人の顔には，上品さや誠実さがうかがわれる。
　今だけの，にわか仕立ての真面目さ・服装・礼儀正しさを装っても，しばらく話しをしているとすぐに見抜かれるのだ。
　いつも遅刻したり，ゴミを散らしたり，公徳心に欠けた行動を繰り返しいる生活は，気づかぬうちに，その人の人間性や行動に現れる。
　学校の指導は，このような人間にならぬように，正しいことを身につけさせ健全な成長を願うから，細かいことであっても常に神経を使い指導していることを理解しなければならない。
　私は，折り目正しい生活態度が勉強の意欲を盛り立て，また，大木がしっかりと技をつけ，新しい枝をつけ，堂々と生え繁っているのは，しっかりした土台となる根を張っているからだと思っている。
　 新年から，周囲に好感のもたれる生活態度で運気を開かれんことを願い，授業納め式にあたってのあいさつとする。

*　実用英語検定試験２級合格者認定書授与
*　校内主張コンクール表彰式
*　第26回 平成22年度 岩手県高等学校総合文化祭　美術・書道部門表彰式