弥生3月の到来とともに,春の暖かさが訪れた前日の同窓会入会式や各賞授与式とはうって変わり,暴風雪が吹き荒れる悪天候に見舞われた3月2日(土)であったが「平成24年度 第31回 花巻東高等学校 卒業証書授与式」が,蟻の這い出る隙間も無いほど超満員のなか,第1アリーナにて挙行された。
この日の悪天候はこの冬最大規模の暴風雪であったため,各種の交通機関が機能せず,式の開催も危ぶまれたものの,卒業生230名は欠席者を出すことなく集合して式が開始された。
この日は,日本ハムファイターズで活躍が期待される大谷翔平君(水沢南中出身)の最後の学校行事でもあり,全国から報道各社が50社ほど詰めかけたことで,会場は例年以上に緊張感に包まれていた。それでも,生徒諸君は,母校を巣立つこの日を迎え,暴風雪にも負けない,力強い面持ちであった。そして,卒業証書授与の呼名に当たっては3年間を締めくくる大きな返事で応えていた。
今年度の式典には,日本代表として活躍した大谷選手の特別功労賞の授与も急きょ設けられた。大谷選手の活躍を始めとして,学習面でも,県内国公立大学合格を始め,筑波大学・慶応大学・岩手医大への進学実績など,本年度の花巻東高等学校の活躍ぶりは文武に目覚ましいものがあった。
式辞に際しては小田島校長先生より,孔子の教えである「恕」について取り上げられ,社会人となった時こそ,思いやりのある行動を取ってもらいたいと最後の指導が施された。そして豊かさをもたらした近代科学の発展による弊害として自然環境の悪化を挙げられ,卒業後は主観的な考えだけではなく,社会全体のことに思いを巡らし貢献でき得る人間になれるように精進してもらいたいと激励の言葉をかけられた。
来賓参加者も例年より多く50名を超え,川村伸浩花巻市議会議長他からはなむけの言葉をたまわるとともに祝電も107件いただいた。
式終了後には,父母を代表して伊藤誠PTA会長より教職員に謝辞が述べられた。
学校とPTAが見守り続けてきた卒業生は,あの東日本大震災を高校生活で経験したが,決してあきらめずに学習や部活動に励んできた。その門出には,会場で見守るすべての参加者から,今後に向けられた熱い期待が込められていた。
式が終わる頃外の雪はいつしか止んでいた。強風も向かい風から追い風に変わっていた。そして雲の合い間から差し込む日差しには,卒業生の明るい未来が感じられるものだった。
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