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花巻東高等学校
「日本一」を目指す 最初の関門 第92回 全国高校野球選手権岩手大会始まる

 2年ぶりの甲子園出場を狙う本校は,この夏第1シードから頂点を目指すことになる。
 2年生がスタメンに多くならぶ打線だが,総合力は高い。
 投手陣は,MAX151キロの大型右腕大谷翔平選手(2年・水沢南中)を柱に,二枚の左腕穀田裕次選手(3年・金ヶ崎中)・小原大樹選手(2年・滝沢二中)の安定感は高い。また,経験豊富の右腕の佐々木毅選手(2年・大平中),さらには180cmを超える角度ある猿川哲朗選手(3年・北松園中)・厚楽雅史選手(3年・土淵中)の分厚い枚数が魅力的。
 打線は,1番太田和将選手(2年・見前中)2番大澤永貴選手(2年・三崎中)の1・2番コンビの出塁率が高く足も速い。3番大谷選手・4番杉田蓮人選手(3年・城西中)がこれを返すことになる。
 急成長を見せる佐々木隆貴選手(2年・大槌中)は,震災で家を流失・祖父母を亡くし悲しみを乗り越え,この大会に臨む。枚数の多い投手陣をいかにリードするかが鍵になりそうだ。強肩と9番ながらのしぶといバッティングに注目して欲しい。
 Aブロックには伝統校の福岡高校,実力のある久慈東高校,投手陣に安定感があり5月の練習試合では完璧に負けた大船渡高校,さらには久慈高校が控える。準決勝では,昨年度の覇者一関学院高校が待ち構えており,作秋の悔しさを晴らしたいところだ。
 花巻東は15日(金),県営球場11時30分,宮古水産高校戦でその全容を現す。



花巻東高等学校ナイン一覧
部 長 流石 裕之 教諭
監 督 佐々木 洋 教諭
コーチ 松田 優作 常勤講師
 
背番号 氏  名 学 年 出身中学校
1 大谷 翔平 選手 2 水沢南
2 長岡  輝 選手 3 城 東
3 杉田 蓮人 選手 3 城 西
4 橘   廉 選手 3 九 戸
5 猿川 哲朗 選手 3 北松園
6 佐々木 泉 選手 3 下小路
7 山本  英 選手 3 上 田
8 松橋 朝也 選手 3 盛岡・河南
9 高橋 知矢 選手 3 北上北
10 菊池 倭 選手 3 滝沢第二
11 穀田 裕次 選手 3 金ヶ崎
12 佐々木 隆貴 選手 2 大 槌
13 厚楽 雅史 選手 3 遠野・土淵
14 大澤 永貴 選手 2 三 崎
15 太田 和将 選手 2 見 前
16 高橋 翔飛 選手 2 江釣子
17 小原 大樹 選手 2 滝沢第二
18 佐々木 毅 選手 2 大 平
19 三浦 準貴 選手 2 釜石東
20 大向 優司 選手 2 長 内
浦上 貫司 選手 3 川 ア
照井 隼太 選手 3 湯 口


 
 
本校の試合予定日(天候等により,変更になる場合があります。)
試 合 試合日 開始時間 試合会場

2回戦

7月15日(金)

11:30

県営球場

3回戦

7月17日(日)

11:30

花巻球場

4回戦

7月20日(水)

9:00

県営球場

準々決勝

7月21日(木)

10:00

県営球場

準決勝

7月23日(土)

10:00

県営球場

決 勝

7月24日(日)

10:00

県営球場






試合結果速報




2回戦  対 宮古水産 平成23年 7月15日(金) 曇りのち雨 岩手県営野球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
宮古水産 0 0 0 0 0 0 0     0
花巻東 1 3 2 1 1 0 ×     8
(7回コールド)

花巻東
投 手:猿川哲朗選手(北松園中出身)・厚楽雅史選手(遠野・土淵中出身)・穀田裕次選手(金ヶ崎中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)・長岡輝選手(城東中出身)
2塁打:長岡輝選手(城東中出身)
3塁打:杉田蓮人選手(城西中出身)
 
 「チームを一つに,高校球児を一つに,岩手を一つに」
盛岡第一高校の十良沢主将の選手宣誓で幕を開けた第93回大会。
  本校は,堂々第1シードとして迎える本大会。緒戦の相手は,宮古水産高校。
  本校は,初回に1死2塁から3番杉田蓮人選手の右翼線ツーベースで先制。2回には無死2・3塁から山本英選手(上田中出身)のセンター前タイムリーで2点,2死後太田知将選手(見前中出身)ライト前タイムリーで1点と,計3点を挙げた。
  その後も,相手のミスもあったが,13盗塁とダイヤモンドを駆け巡り,小刻みに加点した。
  投手陣は,猿川哲朗選手が3イニング,厚楽雅史選手が3イニング,そして穀田裕次選手が1イニングと,3年生リレーで相手を無安打に抑えた。
  8−0の7回コールド勝ちで,3回戦進出を決めた。


■ 2回戦のフラッシュ  


 
緒戦の緊張感を円陣でほぐす   9名の相手に礼を正す


 
猿川選手の力投   杉田選手の先制となるツーベース


 
2点タイムリーの山本選手   3塁打を放つ長岡選手


 
果敢に次塁を狙う太田選手   厚楽選手の投球



3回戦  対 福岡 平成23年 7月17日(日) 晴 花巻球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
福岡 0 0 0 0 0 0 0     0
花巻東 0 0 3 2 0 1     7
(7回コールド)

花巻東
投 手:穀田裕次選手(金ヶ崎中出身)・佐々木毅選手(大平中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)
3塁打:橋翔飛選手(江釣子中出身)・大澤永貴選手(三崎中出身)
2塁打:太田知将選手(見前中出身)×2
 

 1回表,緊張のせいか先発穀田投手の制球が定まらない。2人フォアボールを出したところで佐々木毅投手にスイッチ。相手のバントミスもあり,初回を無失点で切り抜けた。
  序盤,本校打線は相手投手の球威にやや押されていたが,3回に打者が一巡して迎えた太田知将選手が右中間へツーベースを放つと,それが合図のように本校打線が襲いかかった。1死満塁から橘廉選手(九戸中出身)のレフト犠牲フライで先制。続く高橋翔飛選手が初球をたたき,センターオーバーのスリーベースタイムリーで3−0とし,優位に立った。
  続く4回には,2死から太田選手のツーベース・大澤永貴選手のスリーベース・大谷翔平選手(水沢南中出身)の3連打で2点を挙げ,5−0と差を広げた。
  6回には,大谷選手が2本目のタイムリーで6−0とした。
  2回以降は,佐々木毅投手が3塁ベースを踏ませない好ロングリリーフを見せ,7回には疲れからか先頭バッターを四球で出すものの落ち着いて後続を抑えた。
  7回裏,山本英選手(上田中出身)が死球で出塁。代走となった松橋朝也選手(盛岡・河南中出身)が2盗・3盗を決め,その後佐々木毅選手がスクイズを成功させ,コールド勝ちした。

 10回の甲子園出場回数を誇る福岡高校。接戦も予想され,先取点を取られる展開だけは避けたかった。それだけに初回の無死1・2塁のピンチを凌いだことが大きい。このピッチングが3回・4回と流れを呼んだ。3回に1番バッターからという巡り合わせも流れはきていた。
  今日も大谷翔平選手の温存に成功した。展開次第では登板も予定していたと思われるが,33℃の炎天下の試合。次戦に向け,疲れを残さないことも勝ち残る秘訣であろう。
  それにしてもすごい観客だった。外野の芝生席まで解放する程だから記録的な入場者数だったろう。「大谷投手を見たかったなあ」と,ちらほら聞こえてきた。この大観衆の中で野球ができることに喜びを感じ,選手は感謝の心を持って精一杯戦って欲しい。



■ 3回戦のフラッシュ  


 
腰の入ったグランド作りも本校部員   前試合に引き続いて,先発は穀田選手


 
反応もよい   山本選手はファインプレーでピッチャーを盛り立てる


 
太田選手のツーベースヒット   犠牲フライで先制する太田選手


 
3塁打を放った翔飛選手   投げて良しの佐々木毅選手が,
スクイズを決めてゲームセット



4回戦  対 久慈東 平成23年 7月20日(水) 晴 岩手県営野球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
久慈東 0 0 0 0 0 2 2 0 0 4
花巻東 0 0 0 0 0 3 1 0 5
 

花巻東
投 手:佐々木毅選手(大平中出身)・大谷翔平選手(水沢南中出身)・小原大樹選手(滝沢二中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)
3塁打:太田知将選手(見前中出身)・大澤永貴選手(三崎中出身)
2塁打:太田知将選手
 

 本校の先発は,福岡高校戦で好投を見せた佐々木毅投手。球威あるストレートで相手打線を翻弄。しかし,本校も決定打が出ず,5回まで0−0と息詰まる投手戦となった。
 グラウンド整備を挟んで試合が動いた。本校はエース大谷翔平投手にスイッチ。この回先頭の1番バッターを三振に取り,上々の出だしと思われたが,その後2死1・2塁から左中間を突破され2点を失った。
  取られたら取り返す。本校も1番からの好打順。先頭の太田知将選手が右中間へスリーベースを放ち,3番の大谷選手と5番橘廉選手(九戸中出身)のタイムリーで逆転に成功した。
  7回表,大谷翔平投手の調子が上がらない。2死1・2塁のピンチとなった場面で,小原大樹投手に交代するが,連続タイムリーを浴び,3−4と再びリードを許すことになる。
  7回裏,1死1塁から太田選手の長打で佐々木隆貴選手が一気に本塁を狙うものの憤死。チャンスを逸したかに思えたが,続く2番大澤永貴選手が右中間を破るスリーベースタイムリーで同点。試合を振り出しに戻した。
  8回・9回とリリーフした小原投手が,ランナーを出すもののしぶとい投球を見せ,0点に抑えた。
  9回裏,1死満塁から押し出しを勝ち取り,5−4のサヨナラで準々決勝に駒を進めた。

 久慈東高は,毎年夏に照準を絞ってくる好チーム。今大会も3試合で4失点と守りは良く,簡単には点を取れないだろうと思われていた。
  本校は6回に先制されたがすぐに取り返し,引き離されずに辛抱強く試合を展開できたことが,土壇場でサヨナラを得ることができた。
  夏の大会は簡単にはいかない。今後に向け,このような接戦を経験し,試合を制したことは大きい収穫となろう。



■ 4回戦のフラッシュ  


 
先発は,安定感のある佐々木毅投手   リードするのは佐々木隆貴捕手


 
小技もこなす大澤選手   今大会始めてマウンドに立つ大谷選手


 
3塁打を放った太田選手   ピンチに,伝令が指示を伝える


 
小原投手がリリーフに立つ   チャンスに,杉田選手に指示を与える松橋選手




準々決勝  対 大船渡 平成23年 7月21日(木) 晴 岩手県営野球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
大船渡 0 0 1 0 0 0 0 0 1 2
花巻東 0 0 1 0 3 1 0 1 × 6
 

花巻東
投 手:小原大樹選手(滝沢二中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)
2塁打:佐々木隆貴選手・大谷翔平選手(水沢南中出身)
 

 本校の先発は,連投となる小原大樹投手。
  3回表に先制を許すが,その裏に4番杉田蓮人選手(城西中出身)のレフト前タイムリーで同点とする。
  5回には1番バッターからの好打順。1死2・3塁のチャンスを得て,4番杉田選手のタイムリー内野安打,5番橘廉選手(九戸中出身)と7番小原大樹選手のレフト前タイムリーで3点を挙げる。
  6回には今日3打点目となる杉田選手の犠牲フライで5−1とする。
  8回には,1死1塁から大谷翔平選手のあわやホームランという大飛球がフェンス直撃のタイムリーツーベースとなりダメ押した。
  投げては小原投手が,序盤は毎回のようにランナーを出すものの点数を与えない粘投ぶり。最終回に1点を与えたが,終盤3イニングで6奪三振の熱投を見せ,完投。6−2で勝ち,準決勝進出を決めた。

 大接戦 から一夜明け,強打の大船渡高校打線をどう抑えるかがポイントだった。おそらく,小原大樹投手で行けるところまでいって,あとはどのように継投をしていくかを考えていただろう。
  3回に先制されたが,すぐに同点に追いつき,5回に小原投手自らのタイムリーで突き放すことができたことで気分的に楽になった。6回以降は腕が振れ,安心して見ていられる投球内容だった。
  久慈東高校戦以上の厳しい試合も予想された中で,小原投手の粘投がチームを救った。6得点中5得点はクリーンアップによるものだ。中でも杉田選手の勝負強さが光った。3番大谷選手は全国区のスラッガー。その大谷選手と勝負せざるを得ないのも,4番に杉田選手が控えるからだ。その杉田選手が3打点と大活躍した。今後も杉田選手がキーマンとなろう。
  大船渡高校の応援もすばらしかったが,学年対応だった本校の応援も負けてはいなかった。
  今日は比較的涼しかったが,準決勝の明後日は,また暑さが戻ってくると予想されている。
  準決勝は全校応援 熱い試合,熱い応援を!!


■ 準々決勝のフラッシュ  


 
さあ,やるぞ   小原投手の投球


 
杉田選手の好捕   拍手で迎えるベンチ


生徒も父母も一体となって応援する


 
好捕の後の杉田選手の同点タイムリー   大澤選手が生還する


 
小原選手のタイムリー   いよいよベンチも盛り上がる




準決勝 対 盛岡四 平成23年 7月23日(土) 晴 岩手県営野球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
盛岡四 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
花巻東 0 1 0 1 1 0 0 1 × 4
 

花巻東
投 手:佐々木毅選手(大平中出身)・小原大樹選手(滝沢二中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)
3塁打:大澤永貴選手(三崎中出身)
2塁打:橋翔飛選手(江釣子中出身),橘廉選手(九戸中出身)
 

 本校の先発は,3回戦福岡高校戦でロング好リリーフを見せた,佐々木毅投手。初回・2回と,上々の出だしで0に抑える。
  本校は2回裏,1死2塁から,6番橋翔飛選手がライトへ先制のツーベースを放ち先取。
  4回には,1死2・3塁から,同じく橋翔飛選手の内野ゴロの間に3塁ランナーが生還して2−0。
  続く5回には,1死1・3塁時に,けん制で1塁ランナーが挟まれる間に,3塁ランナーの佐々木毅選手がホームイン。3−0と,じわりじわりと点差を広げる。
  佐々木毅投手は,3・4・5・6回と4イニング連続で3塁までランナーを出すもののスコアは0。8回にも3本のヒットを浴びながらも点数を与えない粘り強いピッチングを展開する。
  8回には,1死2・3塁から,5番橘廉選手がセンター前にタイムリーを放ち,4−0とセーフティリードとする。
  9回に,スリーランを浴びるが,8回のダメ押しが効き,4−3で勝利した。

 「チャンスメーカー」と,「チャンスに強いバッター」。本校は,2回に「チャンスに強い」橋翔飛選手があっさりと先制打を放ち,主導権を握った。この先制が大きかった。
  打力で勝ち上がってきた盛岡四高。3回以降は,本校にとってピンチの連続だったが,不思議と点数が入らない。
  本校は4回に,再び橋翔飛選手が「勝負強さ」を発揮。5回には機動力で3−0とした。
  点差が広がると,相手打線は戦略を変えざるを得ず,攻めが荒くなってきた。焦ってくると,普段は「チャンスに強いバッター」が精神的に追い込まれ,いつもどおりの力を発揮できなくなる。打力のある盛岡四高は「チャンスメーカー」はいたが,チャンス(本校にとってはピンチ)に簡単に仕事をさせないような展開に持ち込めたことが勝因であろう。
  8回には,これまた「チャンスに強い」橘廉選手がタイムリーを放ち,試合をほぼ手中に収めた。
  安打数でいけば,6−14と大敗である。本校は,数少ないチャンスに「勝負強さ」を発揮した。そして,毎回のようにピンチを迎えながらも,盛岡四打線の「勝負強さ」を,本校投手陣の「辛抱強さ」が上回ったと言えよう。
  佐々木隆貴捕手は,「走者を出すと,どう抑えるかが楽しくなった。」と,言ったそうだ。夏の大会でこのように試合を楽しめる2年生がいるチームは強いと思う。


■ 準決勝のフラッシュ  


 
翔飛選手のライトへの先制ツーベース   佐々木投手の力投


 
流石部長とスコアラー   再三のピンチに作戦会議


 
小さな身体で3塁打を放つ大澤選手   強肩の佐々木捕手


 
健闘を讃え合う   勝利の校歌を謳う




決 勝  対 盛岡三 平成23年 7月24日(日) 晴 岩手県営野球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
花巻東 0 0 0 0 3 2 0 0 0 5
盛岡三 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
 

花巻東
投 手:小原大樹選手(滝沢二中出身)
捕 手:佐々木隆貴選手(大槌中出身)
2塁打:松橋朝也選手(盛岡河南中出身)・橘廉選手(九戸中出身)
 

 ともに,終盤の勝負強さを持ち味とする両校。
  先攻が本校,後攻盛岡三高でプレーボール。
  本校は初回,2死から大谷翔平選手(水沢南中出身)・杉田蓮人選手(城西中出身)の連打と橘廉選手の四球で満塁とするが,あと1本が出ずチャンスを逃す。
  決勝戦の先発は,4連投の背番号17小原大樹投手。立ち上がりを攻められ,ピンチとなるが要所を締め,無失点に抑える。
  本校は2回裏に1死2塁のピンチにピッチャーライナー併殺で切り抜けると,3回表,今度は本校が1死2塁で大谷選手という願ってもない場面だったが,セカンドライナー併殺でチャンスを逸する。
  3回裏,2死1・2塁のピンチを迎え,次打者にライト前を打たれるが,ライトの大谷選手のプロ顔負けのレーザービームがさく裂し,本塁5m前で余裕のタッチアウト。球場内が歓声とため息で満たされる。
  すると4回表,2死1塁から松橋朝也選手の右中間へのツーベースで1塁ランナー橋翔飛選手(江釣子中出身)が一気にホームを狙ったがタッチアウト。やられたらやり返すといった攻防が続き,球場内の雰囲気からも盛岡三高ペースの序盤のように感じられた。
  4回裏,相手の先頭バッターがライトへのクリーンヒットで出塁。送りバントをあっさり決められ,1死2塁のピンチを迎える。この嫌な流れを断ち切ったのが小原大樹投手。後続を遊ゴロと気迫の三振で流れを本校に引き寄せる。
  5回表,相手失策で得た好機を逃さない。大谷選手敬遠後の2死満塁から杉田蓮人選手がレフトへタイムリーを放ち先制。橘選手も続き,3−0とする。
  主導権を握り余裕の出てきた本校打線は,6回に2盗塁を絡ませる機動力でチャンスを作り,佐々木隆貴選手と大澤永貴選手(三崎中出身)のタイムリーで5−0と差を広げる。
  小原大樹投手は,毎回のようにランナーを出すものの点数を与えない,準々決勝の大船渡高校戦で見せたような投球を披露。8回に,この試合初めての三者凡退,9回に三振を2つ奪う,堂々としたクレバーなピッチングで完封。5−0で勝利し,甲子園出場を決めた。

 ともに好守備の連続で0−0で迎えた5回。均衡を破ったのは3年生のバットだった。この大会,チャンスで勝負強さを発揮していた杉田選手と橘選手。2年生が多いスタメンの中で,主軸を任されている3年生が放ったのは,ベンチやスタンドにいる試合に出られない3年生の分までの気持ちを乗せた,値千金のタイムリーだった。
  この大会最も成長した選手のひとりが左腕小原大樹投手。気迫がスタンドにも伝わるピッチングはナインを勇気づけ,4連投にもかかわらず回を増すごとに調子が上がっていく様子は頼もしいかぎりであった。甲子園を決める決勝戦で自身初の公式戦完封とは,「何か持っている」。

 甲子園には,きっと2年前の余韻が残っている。

 震災のあった特別の年。菊池倭主将(滝沢二中出身)を中心に,みんなで勝ち取った大舞台。
  「岩手を一つに,未来へつながる」戦いを期待したい。


■ 決勝戦のフラッシュ  


 
小原大樹投手の力投   大谷選手のバックホーム


 
頼りになる杉田選手の先制シーン   生還したランナーを喜ぶベンチ


2年ぶりの優勝を決める


 
優勝を決めた瞬間の応援団   スタンドでも校歌の大合唱


 
メタルを首に懸けていただく   菊池主将があいさつを述べる


優勝旗を掲げて堂々の行進



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栄冠は君に輝く♪



   

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